放射線科では、CTやMRIなどの画像に基づいた診断等を専門に行っています。
ほぼ全ての画像診断はモニター診断で、レポートは完備された電子カルテからすぐに閲覧でき、主治医は病態確認と患者さんへの説明を迅速に行うことができます。

スタッフ紹介

  • 岩野 文彦放射線科科長

    • 日本医学放射線学会放射線科専門医
  • 中村 悟放射線科医長

    • 日本医学放射線学会放射線科専門医

医療機関の先生方へ

いつも当院放射線科にMRIやCT検査をご依頼いただきありがとうございます。
高度医療機器の共同利用施設としての役割を持つ当院としては大変ありがたいことです。
今後とも、何卒宜しくお願い致します。

今回、検査機器情報および当院における検査の現状などをお伝えしたいと思います。

  1. 頭部MRI (magnetic resonance imaging) & MRA (MR angiography), 頚部MRA
  2. MRAは脳動脈狭窄や脳動脈瘤などの精査に有用です。白黒、カラーの2種類があります。MIP (Maximum intensity projection) は白黒画像ですが、実データに近くより正確です。3 DMRAはカラーのMRAで画像再構成により見易くなっています。狭窄や動脈瘤などが分り易い反面、誇張される場合があります。紛らわしい病変は、最終的には元画像で確認することになります。対象疾患は脳血管障害が主体ですが、外傷などの診断にも有用です。目的とする疾患に対応して、ルーチン検査をアレンジしています。『拡散強調画像 (DWI; Diffusion weighted image), 拡散係数画像 (ADC map; Apparent diffusion coefficient map), FLAIR (Fluid-attenuated inversion-recovery), T1, T2, T2*』の6画像がルーチンとなります。近年では、認知症の検査依頼も増加しており、検査前の問診で「物忘れが多い」という場合などには、ルーチン検査に加え早期AD診断支援システム (VSRAD; Voxel-based Specific Regional analysis system for Alzheimer’s Disease) を追加しています。このVSRAD解析というのは、アルツハイマー型認知症やレビー小体型認知症に特徴的な部位の委縮度をMRI正常脳のデータベースと比較して検討する診断支援ソフトウェアです。正診率85%と言われており非侵襲的・客観的に疾患の可能性を探れる良いツールと思われます。また、3D拡散強調画像 (3D-DWI), 3D-FLAIRも最近撮像する機会が増加しています。いずれも病変のコントラストはそのままに、1-3 mm程の薄層画像が任意の断面 (横断像、冠状断像、矢状断像等)が撮影後の再構成で得られます。脳卒中を疑う場合には3D-DWI,多発性硬化症などを疑う場合には3D-FLAIRを追加撮影しています。

  3. 脊椎MRI
  4. 頚椎症や椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症、(圧迫) 骨折、脊髄疾患などが対象となります。高齢化のためか圧迫骨折の精査が増えています。
    仙骨不全骨折合併の症例も多く、仙骨まで撮像するようにしています。

  5. MRCP (Magnetic Resonance Cholangio-pancreatography)
  6. 胆道系や膵臓疾患が対象です。当院では肝門部肝管~総胆管、胆嚢、膵まで対象を広げた画像を撮像しています。胆嚢炎, 総胆管結石, 膵炎などかと迷うときにも広範囲を一度で検査できるようにしています。特に胆道系精査に有用です。

  7. 肩関節、股関節、膝関節MRI
  8. 股関節は両側同時に撮像可能ですが、他は左右別々の撮像となります。肩関節と膝関節の検査が多いです。外傷の場合が多いです。変形性膝関節症も高頻度で見られます。各関節の複雑で特徴的な構造に対応した断面と撮像法を決めています。
    撮像にやや時間がかかるのが欠点です。
    他にも骨盤MRI, 非造影MRAなども施行しております。

  9. CT (Computed Tomography; コンピュータ断層撮影法)
  10. 新世代CTでは、一度の息止め(数秒-10数秒程度)で必要な部位(範囲)の撮像が終わります。得られた3D画像データ(莫大な量)を利用して、任意の断面や1-3 mmの薄層画像を作ることができます。再構成画像をいくら作成しても全く被曝量が増えません。依頼された検査で、画像が何百枚あったとしても被曝は1回分で、しかも以前より少なくなっています。
    当院では、ほとんどのCT検査において3方向再構成をしております。
    特に肺CTでは、冠状断と胸部XPを比較することによって、胸部XPの理解が深くなると思われます (肺炎や腫瘍、陳旧性変化、間質性変化等において)。
    肺野の冠状断CT画像はとても分かり易い画像です。
    腹部CTは横断像が皆さん慣れており理解し易いですが、病変の部位や形態、広がりによっては冠状断と矢状断が有用となります。

  11. CTA (Computed Tomography Angiography)
  12. 造影剤を使用しなければなりませんが、高精細動脈画像が得られます。
    頭部CTA, 頚部 (脳血管) CTAが多いです。特に頭部CTAは鮮明な画像が得られ、脳血管造影にほぼ置き換わってしまったようです。
    骨盤-下肢CTAなども依頼があります。閉塞性動脈硬化症 (ASO; Arteriosclerosis obliterans) などの病態把握に有用です。診断においては血管造影に匹敵します。

MRIやCT検査は非常に有用な検査ですが、患者さんの安心安全を担保することが最も大切なことです。特に、MRIでは体内機器等の禁忌物の有無を確認しなければなりません。また、CTでは被曝について十分説明し、理解してもらい承諾を得ることが必須となります。

ご理解、ご協力をよろしくお願いいたします。