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 この度、藤岡ひかる前院長の後任として、2024年4月1日に院長に就任しました。

 私は一消化器内科医として2008年に当院に赴任してきました。いつの間にか16年もの月日が過ぎてしまいました。この間、この地域の医療にどれほど貢献できたのかはなはだ疑問ですが、自分なりのベストを尽くしてきました。
長崎川棚医療センターは2017年に新しい病棟が運用開始となり、本来それに引き続き外来・管理棟も建て替えの予定でしたが、諸事情が重なり未だに新しい外来・管理棟が建つ目途は立たず、古い建物で皆様にご不便をおかけしながら診療させていただいています。
2020年からはコロナ禍もあり、医療を取り巻く環境も大きな変化を余儀なくされました。今後も社会がどういう方向に進んでいくのか予測が困難な中、先の見えない森の中を走るように、私たちも模索しながら前へ進んで行かなければならない状態です。

 私の趣味は走ることです。40歳を過ぎメタボへの危機感から始めたウォーキングがきっかけです。500m先のコンビニまでの往復でさえ苦痛でしたが、徐々に距離が延び、ウォーキングがランニングに変わり、走ることが喜びになり、マラソンやトライアスロン、トレイルランニングの大会にも出るようになりました。コロナ禍でしばらく大会がない時期もありましたが、昨年は自分の中で最大の挑戦となる100マイル(160㎞)のトレイルランニングレースに参加しました。途中「なんでこんなにきついことを好き好んでやっているのか」と200回ほど自問自答し100回ほどリタイアしようかと考えましたが、一緒に走るランナーに励まされ、沿道の温かい応援に励まされ、エイドステーションでのスタッフの温かいもてなしに励まされて、なんとかほぼ二日間かけてゴールすることができました。走っているときは「もう二度とやらないぞ」と思っていたのに、終わってしまうとまたやりたくなってしまう。ランニングにはそんな不思議な魅力があります。

 今、院長という立場となり、私の中には100マイルレースのスタート地点にいるような恐れ、不安、期待、興奮などいろんな感情が混ざり合っています。走り出しても迷うことの方が多いのかもしれません。つまずき立ち止まることもあるかもしれません。
それでも、この長崎川棚医療センターが地域の皆様にとって、ここで働く職員にとって、なくてはならない存在であり続けられるようにというゴールに向かって、皆様のご協力、応援をいただきながら走っていきたいと考えています。
 どうぞよろしくお願いします。

2024年4月

長崎川棚医療センター 院長

植木 俊仁